社会地区分析の方法

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社会地区分析の方法的な内容については,森川(1975)に詳細な説明がなされているが,概略すると,社会的地位(socialrank),都市化・家族状況(urbanization,familystatus),隔離(segregation)の3つの分析枠組みからセンサスによる指標をもとに各社会地区の類型を得るものである。つまり,社会地区分析は「増加尺度の理論に始まり,あらかじめ規定された枠組みのなかで社会地区の型を認識し,それに次いで社会地区の地理的分布を検討する過程をたどる」(森川;1975)。シェフキー・ベルによる分析には,社会的地位(経済状況)の指標として職業・学歴・家賃が,都市化(家族状況)の指標として出生率・婦人労働・一戸建て住宅率が,隔離(人種的状況)の指標としては比較的孤立した種族集団の各指標が使用されており,社会的地位と都市化(家族状況)にはともに住宅関連の指標が用いられている。つまり,住宅や居住状況を重要な指標として都市の社会地区を分類し,地域特性を明らかにしようと試みたが,地理的な分布には関心が薄かった(森川;1975)。
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住宅関連の指標によって2つの分析枠組みをみる点は,分析的枠組みの独立性や指標間の相関関係の吟味に問題を残すなど,分析枠組みの検討の必要性も含めて,当初から多くの批判がなされた。
これらの批判に関して,森川(1975)はホーリー・ダンカンによる「①社会地区という術語使用の混乱,②センサスによる分析資料の限界から生ずる3つの分析枠組みの科学的正当性(中略),③増加尺度(increasingscale)理論の考察に社会地区を分析することの理論的根拠」の批判を紹介したが,デーヴィス・ハーパート(DaviesandHerbert;1993)も同様の指摘に加えて,ステージに関する論理上の筋道に疑問があり,論理の飛躍がみられること,さらに人口移動(migration)を追加的に概念構成あるいは基本的変動源として引き出さないのはなぜか,などの疑問をあげている。
しかしながら,森川(1975)は「社会地区分析は地理学における都市の空間 的パターンとは別途の目的を持って発展してきたものであるが,アンダーソン・イージランドの研究によって橋渡しされ,パージェスに始まる都市の空間的パターン研究の舞台に登場してきた」とその意義に評価を与えたが,因子生態学的アプローチへの橋渡しとしてだけでなく,社会的分化の理論的枠組みの構築などは,都市の社会構造が客観的に比較検討された点においてその存在意義は大きい。

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